徒然記

2022.11.25

立冬を越えた11月半ば、山口県美祢市の時松邸の裏山で、写真家の長尾創真さんに撮影していただきました。

吾郷薫子さんの衣「Little Eagle」展示会が終わった後、赤いワンピースを纏い、庭のイチジクの葉を髪に挿しました。

雨上がりの夕暮れ時。

素足に杉葉が刺さる痛さも幻のように、昔佐渡島でも似たようなロケーションで踊った頃のことも思い出しつつ。

五感の体験は、古い記憶を突然呼び戻すものですね。

足裏の触感、昔聴いた曲、目にした風景、香った匂り、味覚の思い出… 等のシンクロが、何十年も前の自分にふと戻してくれたりします。

踊る時は何も考えてはいないのですが、それは完全に「無意識」の状態ではなく、「意識」と「無意識」の中間のような感じです。

  あの世とこの世の間のような。

  「場」があり

  「時」があり

  「人」があった。 そんな感覚。

やまと言葉の「天晴れ」の語源は「あはれ」だと知ったとき、深く感銘しました。

人生の「もののあはれ」を慈雨が沁み込むが如く、この身に、心に受け、拝んでゆく…   拝むしかない境地に、誰もが縁する時がある。

「日陰」を背負い、アメノウズメが舞い踊り「天照」がお出ましになる。

( 芸能の始祖神、日本最古の踊り手「アメノウズメノミコト/天宇受賣命」は「ヒカゲノカズラ/日陰葛」という靈草を身に飾って舞ったという伝承があります )

日を敬い、月を愛でた 古えの人々の心と教え。

  一陽来復

陰極まって陽に転ずる「冬至」をそろそろ迎えます。新年が来る前に少しスペースを空けて、感じる時間を持ちたいな、と思う今日この頃です。

光が影になる 逢う魔が時

黄泉の口にて イザナギは待つ

Photo.Soma Nagao , Dress.Little Eagle

Dance.Momohana

追記。何故イチジクだったのかなと振り返った時、アダムとイブが羞恥心を知った時に、その身をイチジクの葉で隠したそうで… お土産をもらったような氣になりました。読んでくださりありがとうございました。

Special thanks.

Soma Nagao , Kaoriko Ago

Tokimatsu family and friends